コンタクトレンズを、ノンフィクションに。

コンタクトレンズになる人は代理人の一人くらいいるもんです。

私（母）の治療経過①
私（母）の治療経過②
私（母）の治療経過③
もご覧ください。※治療後の経過は個人差があります。あくまで体験談の一つとして参考になさってください。

アホな思い出話で長くなりましたが、こちらが最後です。
○その後の経過と角膜ヘルペス２３歳で受けた白内障手術の後は、定期的な経過観察で一応は落ち着いています。視力は0.7前後ですが、日によって多少変わります。また、健康診断などでの顕微鏡のようにレンズを覗いてする視力検査などは、メガネをしてもピントが合いにくく裸眼で測って0.5くらいしか見えない時もあります。慣れていない健診のスタッフに説明するのも面倒なので、主治医がいます、とあしらってしまっています。

就職は普通の正社員として採用されました。元々アルバイトとして働いていた職場だったので、結果的にインターンの役割を果たしたかどうかは不明です。入社試験などは全て普通に受けての採用です。入社時には、アルバイト時代から仲の良かった上司に、障害者手帳の有無を聞かれました。障害者採用枠がある以上、会社として尋ねられて当然だと思いました。
網膜芽細胞腫に限らず、片眼が見えないだけでは、障害者とは認定されません。残った方の視力が矯正して0.7以下で、医師の診断書があれば６級が取れるそうです。私は場合によっては取れるギリギリのラインかもしれませんが、特にその必要性を感じた事はありません。
白内障の時の傷跡やドライアイのため、角膜に傷は付きやすく、視力は不安定ですが、日常生活に困る事はありませんでした。
ただ、仕事を始めて数年後、突然目が腫れぼったく感じ、焦点がほとんど合わなくなることがありました。視力は受診時に0.2くらいだったと思います。当時は関西で勤務しており、何かあった時にと、念のため、がんセンターの主治医に頼んで、近くにある網膜に詳しい専門医宛に紹介状を書いてもらっていました。会社に事情を説明して休み、受診すると、診断は「角膜ヘルペス」でした➡︎藤田眼科「角膜ヘルペス」※分かりやすかったのでリンクを貼っただけで、病院などは無関係です。
眩しいなどの症状が白内障と似ているため混乱しましたが、処方薬で症状は改善しましたが、それ以来、疲れている時や生活習慣が乱れると時々ヘルペスらしき症状が現れます。最初ほどがくんと下がることは今の所ありません。事前に予防的に薬をもらっておくことはできないため、つど、受診するかなだめながら過ごすか、という感じです。
○どうして私なのか、ということ。
24歳の頃、白内障の手術からしばらくして書き付けたものを読み返してみました。稚拙な文章ですが、病気と付き合いながら抱いていた感情としては今もあまり相違ないので、そのまま載せてみます。
----------------小学校を卒業する頃、担任に「あなたは時々肩の力を抜いてもいいのよ」と卒業の時に言われたのを覚えています。
三つ子の魂百まで、とはよくいったもの。
今振り返ると、肩をいからせて生きているのは、別にがむしゃらに頑張っているのではなく
そうしないと、やってこれなかったんだという気がします。

なにかしら、自分にコンプレックスがある人が、そのコンプレックスを持たない人に対して、
嫉妬や恨みや羨望といった負の感情を持つのは自然なことです。
私は物心ついてから、常にそれを自覚していたけれど、その自覚を絶対に許容したくなかった。
「どうして自分だけが」という言葉は、自分を否定することに直結するから。
そうやって自分を哀れんで満足するような愚かでお手軽な人間を軽蔑さえしていたと思う。

その反面、「それでも、私は人並み以上によくやっている」という評価を自分に与えることで、自分を励まして生きてきたと思います。自分に厳しいんだか、甘いんだか。

去年、視力が異常な下がり方をした時に、自分を哀れむことが、こんなに手軽で、しかも楽なんだということを初めて知って。同時に、今までの私が、今の自分をひどく軽蔑しているのも自覚していた。

程度が多かれ少なかれ、人間はみんなそうなんだと思う。
誰かから同情を欲しがっている癖に、その同情は自分の矜持を傷つける。そのジレンマが、内向きに乱反射して、増幅されてしまうと、すぐそこに出口は見えていてもなかなかたどり着けない。
外から見たら愚かでも、本人にとっては死活問題なんです。

今でも、その性格の根本は変わってないと思います。
どんなにプライドが高いといわれようと、他人に弱みを見せられないことこそが、弱さなんだといわれようと、自分が好きな人、尊敬する人には、いつも笑って「元気だよ」って言いたい。

でも、自分がそういう性格だということ、そして、周りの友人は自分以上に自分を理解してくれているということを、わたしは既に知っていて。
だから、これからは、硬いけれどポキッと容易く折れてしまうような見せかけの強さではなく、やわらかく、しなやかにたわむ余裕のある強い人になりたいと思います。

そこのあなたも、必要以上に自分を甘やかさないでください。でも、必要であれば周りに「あなたを甘やかす準備をして」待っている友達がいることを、決して忘れないでいて欲しいと思います。
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「どうして私なんだろう」と、思わないはずがなく。それでも、それだけを考えて過ごすには、毎日の生活は慌ただしすぎます。結局、「まぁでも、そうなったものは今更嘆いても仕方ない」が、最終的な結論になります。この頃より今の方が、少しまろやかになりました（笑）
初対面の人と話す時や公共の場などでは、最初に「見た目」で身構えられるであろう分、普通、或いは普通以上に「明るく友好的にきちんとした中身を見せる」ことで先手を打つ癖がつきました。だがしかし、それが私の本来の性格なのか、無意識に振る舞おうとし続けた結果身についたものかもう分かりません。ていうかどっちでもいいし。
今は、20代の頃より、頼れる友人や同僚、上司が増えました。多分私をいろいろ守ろうとしてくれている不器用な夫と、誰よりも（夫よりもw）守りたいと思える長男がそばにいます。
長男の治療についてはまだ、このブログを周知しない限りは、親族とごく近しい友人、上司しか知りません。落ち着いて経過観察になってから伝えようかな、と思ったり、これまで辛かったことも聞いてほしいな、と思ったり、まだ迷いがあります。
でも、上で10年前の私が書いている通り、好きな人の前では笑っていたいし、いつかきちんと話した時に友人たちが受け止めてくれるであろう、という安心感をお守りに、もう�
�し頑張っていこうと思います。

○諦めたことと苦手なこと車の免許は取っていません。取っている方もいると聞きます。視野角１４０度、視力0.7以上あれば取得可能ですが、私は日々視力が不安定なことと、遠近感の問題（多分縦列駐車とかできない）、やはり直射日光や対向車のライトなどに弱いため、取るつもりはありません。これは人それぞれだと思います。
アイメイクやコンタクトレンズも諦めました。目を傷めるリスクを冒してまでではないと思っています。10代20代の頃は残念にも思いましたが、30代にもなると、日々バタバタでどうでもいいかも。
あとは、写真を撮られる、というよりは、自分が意識していない写真に写りこむのは苦手です。角度によってはやはり不自然に見えてしまうので。
こんなところでしょうか。今、お子さんが治療中だったり、摘出して経過観察となり、今後の生活に不安を持っているご両親は多いと思います。そういう方が読んで、「なんだ意外と普通に暮らしてるのね」「こんなことで悩むのね」と参考になれば、と、思いついたことを、なるべく正直につらつら書きました。長いですね。

もし、「こういう時はどうだった？」ということがあれば、コメントやメッセージをいただければ、経験の範囲でお答えします。大した答えじゃないかもしれませんが、あしからず。

私本人の体験はひとまずここまでとして、以降、長男を産むまで。産んでからの治療について書いていきたいと思います。